諦める力

著者: 為末大(著)

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:::目次(文庫):::

文庫版のためのまえがき

はじめに

第1章 諦めたくないから諦めた

十八歳の決断

努力しても無理かもしれない

手段を諦めることと目的を諦めることの違い

「勝ちやすい」ところを見極める

憧れの人は自分の延長線上にいるか?

負け戦はしない、でも戦いはやめない

第2章 やめることについて考えてみよう

続けることはいいことなのか?

できないのは努力が足りないからか?

諦めることの代償

応援してくれる人が責任をとってくれるわけではない

「せっかくここまでやったんだから」という呪縛

「今の人生」の横に走っている「別の人生」がある

他者の願望や期待に配慮しすぎていないか?

「あなたには向いていない」と言ってくれる人

「飽きた」という理由でやめてもいい

日本人の引退の美学、欧米人の軽やかな転身

やめるための「儀式」をしよう

ルールと締め切りは絶対に守る

迷ったら環境を変えてみる

何を「普通」ととらえるかで人生が変わる

第3章 現役を引退した僕が見たオリンピック

「勝てなくてすいません」への違和感

なぜ負けたかわからない

自分はどの程度自由か

論理ではなく勘にゆだねる

「負けて悔しいでしょう?」と聞くのは残酷か

「夢がかなう」人はごくひと握り

一意専心よりもオプションを持つこと

コーチを雇う欧米人、コーチに指事する日本人

第4章 他人が決めたランキングに惑わされない

「したたかなきれいごと」で存在感を出すイギリス

「勝っている状態」を定義する

「どっちがいいか」という選択を毎日意識的にしてみる

いつまでも自分で決められない人たち

選ばれるのを待つ人生か、自分で選ぶ人生か

積む努力、選ぶ努力

「俺的ランキング」でいいじゃないか

「陸上なんていつやめたっていい」と言い続けた母

どの範囲の一番になるかは自分で決める

金メダルは何の種目で取っても金メダル

AKB総選挙で生まれた「それぞれの物差し」

第5章 人は万能ではなく、世の中は平等ではない

不条理というものについて

生まれによる階級、才能による階級

あなたにとっての苦役は、あの人にとっての娯楽

「絶対に正しい」ものがあると信じているアメリカ人が苦手

「リア充」なんて全体の一〇パーセントもいない

「誰とでも」は「誰でもいい」と同じ

「オンリーワン」の落とし穴

アドバイスはどこまでいってもアドバイス

「あなたのためを思って」には要注意

第6章 自分にとっての幸福とは何か

高倉健さんはなぜヤクザ映画をやめたのか

計算、打算は戦略の基本

手に入れていくことの幸福、手放していくことの幸福

「バカヤロー、おまえがなれるわけないだろ」

「やめてもいい」と「やめてはいけない」の間

他者に対する期待値を低くする

世の中は平等ではないから活力が生まれる

モビリティを確保する

どうにかなることをどうにかする

暗黙のルール

人が盲信するこき

やめる練習

おわりに

引用

"諦めるということはそこで「終わる」とか「逃げる」ということではない。そのことを心に留めながら、本書を読んでいただければと思う。"

"多くの場合、天才の真似をしてもだいたい失敗する。自分の体と性格に生まれついてしまった以上、なれるものとなれないものがあるのは間違いないことだ。"

"できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる。"

"願望を希望と錯覚してズルズル続ける人は、やめ時を見失いがちだ。なぜなら、願望は確率をねじ曲げるからである。"

"僕は「やめる」「諦める」という言葉を、まったく違う言葉で言い換えられないかと思っている。たとえば「選び直す」「修正する」といった前向きな言葉だ。"

"僕の母が毎日近くの山に登ることと、僕が世界で三番になることの本質的な違いがわからなくなったのだ。"

"人生というものは、何気ない分岐点でのほんの小さな選択によって、大きく分かれてしまうような気がしてならない。"

"ほとんどに人にとっては、つらい時期を耐え抜いても成功しないことが多いのだ。"

"「測る」とは、勝利条件の設定にほかならない。どうすれば勝ちなのかが決まって初めて戦略が生まれる。"

"言い換えれば、努力には、「どれだけ」がんばるか以外に、「何を」がんばるか、「どう」がんばるか、という方向性があるということだ。"

"僕の感覚では、その自己肯定に至る作業はどんな競争よりも厳しいものだ。"

"「得にならなくても楽しいからやりたいな」という感覚をたくさん味わうことが、自分の軸をつくっていくことにつながる。"

"最後には死んでチャラになるのだから、人生を全うしたらいい。そしてそこに成功も失敗もないと思う。"

"何かを真剣に諦めることによって、「他人の評価」や「自分の願望」で曇った世界が晴れて、「なるほどこれが自分なのか」と見えなかったものが見えてくる。"