1985年の無条件降伏 プラザ合意とバブル

著者: 岡本 勉(著)

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:::目次(新書):::

序 2度目の無条件降伏

  「失われた20年」の原点

第 1章 1985年の日本

グリコ・森永事件、つくば博/NTT誕生、男女雇用機会均等法制定/夕

やけニャンニャン、日本人宇宙飛行士誕生/バックスクリーン3連発/桑

田・清原、運命のドラフト/エネルギーのあふれた時代

第 2章 日米経済摩擦

1 日本の黒字、アメリカの赤字

アイアコッカ会長、サッチャー首相、そしてトランプ大統領/東洋の魔女、

家電、鉄、自転車、半導体/貿易摩擦ではなく貿易戦争

2 強いドル、強いアメリカ

円安が進んだ理由はレーガン大統領/為替の仕組み/日本企業にとっても

望ましい/アメリカ企業の不満

第 3章 1985年8月12日 月曜日

大きな事件が集中した特異日

第 4章 プラザ合意 1985年

1 始まりの日 その1

三連休/第一報/トップ・シークレット/ノーマーク/なじみのなかった

「G5」という言葉/ゴルフの恰好をして自宅を出た竹下蔵相

2 始まりの日 その2

合意の内容/ドル高の是正/アメリカも効果に懐疑的だった?/円ドル相

場の比較/ニューヨーク市場、東京市場の動き/諸手を挙げて歓迎/企業

の反応

第 5章 円高始まる

1 円相場を決めるもの

「25%のドル安が必要」/9月26日(木)円相場は222円/9月27日

(金)円相場は220円/9月30日(月)円相場は216円/簡単にも

うけられる方法/メモリーとCPU/10月1日(火)円相場は215

円/10月2日(水)円相場は213円/10月3日(木)円相場は212

円/10月8日(火)円相場は216円/10月15日(火)円相場は215

円/10%の値上げ/10月22日(火)景気悪化より円高

2 もっと円高に

10月10日(水)円高は第二段階へ/10月30日(木)前川委員会/11月4

日(月)円相場は206円/11月29日(金)円相場は202円/円高デ

フレ/12月24日(火)円相場は202円/1986年1月1日(木)円

相場は199円

第 6章 円高不況 1986年

1 不況始まる

1年で90円の円高/円高春闘

2 公定歩合と金融緩和

公定歩合の引き下げ/1年間で4回引き下げ

3 東京サミット

日本の孤立/財政赤字の発端

第 7章 孤立する日本 1987年

1 ルーブル合意

円高を止めるはずが140円台へ/青ざめる宮沢蔵相/裏目に出た発言

2 国際協調という幻想

あるのは自国の利益だけ/世界標準

3 10月19日 ブラックマンデー

ニューヨークダウ、508ドルの暴落/世界恐慌……は来なかった/株価

の上昇、そしてバブルへ/円高メリットの出現/調整に過ぎなかった?

第 8章 バブル始まる 1988~89年

1 株価3万8915円

1年間で1万5000円の下げ/パックスジャポニカ(日本による平

和)

2 『私をスキーに連れてって』

スキーブーム/「24時間戦えますか」/ジュリアナ東京

3 カネ余り

「金を借りてくれませんか」

4 リゾート開発と巨大ホテル

EIE/ザ・ウィンザーホテル洞爺

5 クリスマスイブと朝シャン

大学生の求人倍率2・8倍

6 ロックフェラーセンター

本当は「買収」ではなく「出資」/不動産王ドナルド・トランプ

7 アメリカ買収

米国債を支える「セイホマネー」

8 日本的経営

「地獄の管理職研修」

第 9章 『「NO」と言える日本』 1989年

日本でわざわざ売る必要がない/極めて珍しい状況

第10章 失われた20年 1990年

1 バブルはじける

不動産の総量規制

2 なぜ気づかなかったか?

130億ドルも出したのに、日本の名前がない!?/クリントン大統領誕生

3 損失補てんと不良債権

証取法違反/銀行の不良債権/不良債権の額は?/再び青ざめる宮沢首相

4 最後の日米経済交渉

「日米自動車・同部品交渉」/プラザ合意から10年/阪神・淡路大震災、

地下鉄サリン事件

第11章 混乱する金融 1997年

1 北海道拓殖銀行と山一証券

日産生命の経営破たん/拓銀の経営破たんと「ジョホールバルの歓喜」/

山一証券の破たん

2 銀行が危ない

相次ぐ大手銀の合弁

3 小泉首相の経済政策

構造改革

4 低迷するGDP

1年で交代する自民党の首相

第12章 政権交代 2009年

1 中国に抜かれる

鳩山由紀夫首相/中国が日本を抜いて2位に

2 「失われた20年」が終わらない

東日本大震災と原発事故/悪化する韓国・中国との関係/消費税引き

上げ、そして解散

3 民主党の経済無策

進む円高/円高を放置する民主党政権/株価低迷

第13章 アベノミクス 2013年から現在

1 安倍首相 再登板

3本の矢

2 大胆な金融緩和

量的緩和/円安、株高/やったことは白川総裁と同じ?

3 アベノミクスへの批判

坊主憎けりゃ袈裟まで憎し/出口はどこに?

4 重すぎる金融負担

マイナス金利

第14章 プラザ合意と経済の空洞化

1 生産拠点の海外移転

2つの方法/見つからない「MADE IN JAPAN」/働き口が減

2 『「NO」と言える日本』の誤算

円高下のMADE IN JAPAN

3 アベノミクスの限界

日本経済の構造変化

第15章 無条件降伏から30年

1 ブレトンウッズ体制

基軸通貨は米ドル

2 プラザ合意体制

経済秩序をドル安・円高に変換/日米衝突の回避/無条件降伏は拒否でき

たか?

第16章 日本経済の興亡 未来

1 トランプ大横領と空洞化

トランプ大統領の大いなる勘違い/大統領と保護主義

2 国破れて企業あり

「国民経済」という概念が通用しなくなる

3 アベノミクスの今後

前向きの回転/東京五輪/賃上げは誰の仕事?

4 空洞化への対応

台頭する新興企業/日本は?

5 日本経済の興亡 未来は?

再び、すべてはプラザ合意から/依然、世界第3位の経済大国

あとがき

引用

"繰り返しになるが、85年ごろの大きな出来事は、すべて、日本だけで解決することができた。しかも、どこかエネルギーにあふれていた。わずか三十余年前のことがだ、そういう時代は、過ぎ去ってしまったように見える。"

"日航ジャンボ機の墜落と、三光汽船、グリコ・森永事件は、思わぬ形でクロスした。"

"歴史的な転換点となったプラザ合意も、このときは、あくまでも「新貿易政策」との合わせ技という程度の扱いだったのだ。"

"円高メリットが出始めたまさにそのときに、政府は、経済対策を大盤振る舞いし始めたのだ。円高メリットという油がたまってきたときに、経済対策という火を放ってしまったわけだ。"

"バブルは、その山があまりに高かったので、91年、92年ごろは、バブルがはじけたとは、だれも気がつかなかった。"

"そんな政策を、こともあろうに、バブルがはじけた直後に打ち出したのだ。(※そんな政策=不動産の総量規制:バブルを制御しようという政策)"

"1997年に、日本経済は足元から大きく揺らいだ。97年という年こそ、私たち日本人が、バブル崩壊という事実をはっきりと知る1年となった。"

"日中逆転は、「失われた20年」を改めて、決定づけるものとなった。"

"民主党政権の3年半は、円高と株安が加速し、政権がそれを放置した日々として、総括できる。無為無策の3年半だった。"

"アベノミクスは、異次元の金融政策が、一生懸命、時間を稼いでいるというのが現状だ。異次元の金融緩和で、そういつまでも時間稼ぎを続けられるわけではない。"

"しかし、何のことはない。プラザ合意で円高になってみると、ほかならぬ日本経済が、空洞化してしまったのだ。"

"アベノミクスが、どうしても効果を上げきれない根本的な原因は、日本経済の空洞化にある。"

"空洞化を埋めるような新しい企業、新しい産業の育成こそ、実は、アベノミクスの新しい柱、主要な柱にするべきものだろう。"

"プラザ合意から30年という日本経済の興亡で、日本と日本人が失ってしまった一番大きなものは、たぶん、「明日は今日よりいい」という素朴な思いだ。"