ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち

著者: ジョン・ロンソン 夏目 大(訳)

購入 - Buy Online -

:::目次(新書):::

第一章 ツイッターのなりすまし

突然現れた、もう一人の自分/直接対決/ソーシャル・メディアという武器

第二章 誰も気づかなかった捏造

ボブ・ディランはいつこんなことを言ったのか/著者への問い合わせ/嘘の発

覚/懇願/後悔/秘密を暴露され名誉を失った人たち

第三章 ネットリンチ ー 公開羞恥刑

ジョナ・レーラーへの取材申し込み/著書の回収/講演原稿/謝罪、ツイッター

の反応/リアルタイムで大炎上/魔女狩り将軍/公開羞恥刑の歴史/サイコパス

とソシオパス/レーラーの新しい本

第四章 世界最大のツイッター炎上

一一時間のフライトの間に、世界一の有名人に/炎上後の生活/炎上の発端/い

くら隠しても、検索すれば自分がどういう人間かわかってしまう/公開羞恥刑を

科してきた判事/権力者より恐ろしい一般人

第五章 原因は群集心理にあるのか?

ル・ボンの群集心理の概念/ジンバルドーの心理学実験/実験の真相/良いと思

った行動が、大きな犠牲を生む

第六章 善意の行動

下品なジョークで失職/告発者へのインタビュー/「荒らし」のたまり場

"4chan/b"で話題に、そして失職/DDoS攻撃の常習者/マルコム・グラッド

ウェルの誤り/「呼び止め」が若者をネットのエキスパートにした/善意の行動

が二人の職を奪った

第七章 恥のない夢の世界への旅

これ以上ない恥/自動車業界のハニートラップ/勝利/報道の犠牲者/モズレー

はソシオパス?/ポルノの世界に学ぶ、恥ずかしいと感じないコツ

第八章 徹底的な正直さ

「人に知られたくないこと」を人前で話す/女装して町を歩く恐怖/殺意の理

由/講座は役に立つか?

第九章 売春婦の顧客リスト

六九人の名前/起きなかった炎上/「恥」の概念が変わった

第一〇章 独白劇の捏造

存在しなかった健康被害/鮮やかな復活/ジャスティン・サッコとの再会/忘れ

られる権利

第一一章 グーグルの検索結果を操作する男

軍や兵士に対する冒涜/グーグルの検索結果を変えた男/ジョーク写真を検索結

果から消せるか/法廷での公開羞恥刑

第一二章 法廷での羞恥

羞恥は人を弱く見せる/ソーシャル・メディアの方がまだまし?

第一三章 恥なき世界

同性愛を告白し、辞任した州知事/恥の感情が凶悪犯罪の原因/ハドソン郡矯正

センター

第一四章 猫とアイスクリームと音楽と

検索結果の一ページの印象は決まる/グーグルのアルゴリズム/シュタ

ージ ー 人はなぜ密告者になりたがるのか/すべてが作戦どおり

第一五章 あなたの現在の速度

炎上でグーグルはどのくらい儲かるのか/変な標識/人間の行動を変えさせるフ

ィードバック・ループ

参考文献と謝辞

訳者あとがき

引用

"近いうちに、悪と闘うために、悪人を晒し者にするという手段が使われることがまたあるに違いない。その時には、必ず只中に身を置こうと私は決めた。"

"私はまさに彼のような人について書こうとしていたからだ。レーラーは虚偽の文章を書くという罪を犯し、公の場で恥をかかされれるという罰を受けた。"

"「不安と、そして野心のせいですね。この二つが良くない具合に混ざり合っていました」レーラーはそう答えた。"

"(略)少し面白がっていた私から、すぐに面白がる気持ちは消えた。彼女を吊るし上げている人たちが、一種の「集団発狂」のような状況に陥っているなと感じたからだ。"

"自分たちが攻撃し、傷つける相手のことを、人間性を欠いた存在とみなしがちなのは、ごく普通のことである。特に珍しくはない。攻撃する前も、攻撃の最中も、その後も、相手は人間ではない、と思い込むのだ。"

"「仮に匿名でなかったとしても、あれだけの大人数であれば、匿名と同じということになりますね。」私もそ言った。"

"あるいは、公開羞恥刑を受けた後に、立ち直る方法を発見した人もいた可能性はある。それを調べてみる価値はありそうだ。"

"「公開羞恥刑は、刑を受ける者が恥ずかしいと思うから成り立つものです。当人が恥ずかしいと感じなければ、すべては崩れます」モズレーはそう言う。"

"マックス・モズレーがなぜ、公開羞恥刑を免れたのか、その理由が突如として分かった気がした。結局、誰も彼の行動を気にしなかったというだけだ。"

"何を許せないとするかには一定のコンセンサスがあるが、司法の判断やマスメディアの主張はそれにほとんど影響を与えない。だからこそ非常に恐ろしいとも言える。"

"「我々は、彼について新たな情報をインターネット上に大量に上げ、過去の経歴の隠蔽に協力しています」"

"ソーシャル・メディアはまだ歴史が浅いため、羞恥刑に関する議論もまだまだこれからである。スタッフォード・スミスによれば、公式な裁判ではむしろ、優れた戦術として積極的に用いられているようだ。"

"その人が何を言っているのか、何を知っているかで判断せず、ただうろたえて見えるというだけで、勝手に「この人はだめだ」と決めてしまっていたのだ。"

"恥をかき、うろたえている人を見ると、やはりその人に何か非があるように見えてしまうのが人間である。そんな事態を何とか避ける努力をすれば何かが変わるのではないかとも思う。"

"「それは、彼らが実は自分の存在を恥じている、という秘密である。深く、強く恥じており、恥の感情は絶えずつきまとい、消えることはない。」"

"「私は悟りました」ギリガンは私にそう言った。「正しい言葉を使う必要があると。(略)私たちは恥を感じるのではなく、恥を苦しむのです」"

"レーラー、ギリガンの二人と話をした私には、「あまりの苦痛に感情が死ぬ」という状況がよく理解できるようになった。"

"なぜ、何の得にもならないにもかかわらず、これほど多数の人たちが公開羞恥刑に加担するのか。私は取材を始めた当初から、そのことを考えてきた。"

"なぜ、何の得にもならないにもかかわらず、これほど多数の人たちが公開羞恥刑に加担するのか。私は取材を始めた当初から、そのことを考えてきた。"

"それで得られた結論は、「フィードバック・ループが原因ではないか」ということだった。"

"「私は普通ですよ」「これが普通ですよ」と皆が始終言っている。"