「豊かさ」の誕生 成長と発展の文明史 上
著者: ウィリアム・バーンスタイン(著) 徳川 家広 (訳)
:::目次(文庫):::
はじめに
序章
第1部 近代経済成長の源泉
第1章 豊かさについての仮説
「マルサスの罠」を脱出する/何が豊かさをもたらすのか/
数字で見る経済史/経済成長率のクルーズ・コントロール/
近代以前の社会には、私有財産制が存在しなかた/
まともな税制は重要である/治安の悪さと衛生面の惨状/
前近代には科学的合理性もなかった/
前近代社会には効率的な資本市場もなかった/
前近代における輸送・通信手段の未熟さ/土地・労働・資本/
第四の投入物-知識/第一段階 狩猟と採集/第二段階 農耕/
第三段階 工業化/第四段階 脱工業社会
第2章 私有財産制
最初の礎石/歴史の霧の中から/忘れられた元祖デモクラシー/
ソロンの先見の明/古代ローマにおける私有財産制/
ローマの致命的欠陥/イギリスにおける慣習法の勝利/
イギリス、奇貨を得る/財産権の礎石を置く-エドワード・コーク/
「財産権の基礎法」-ジョン・ロック/頭の中の財産/共有地の悲劇
第3章 科学的合理主義
頭上の星々/天文学小史/科学革命の群像/
新モデルだからといって、よりすぐれているわけではない/
最初の西洋人/大観察者/破棄されるモデル、維持されるモデル/
カトリック教会の威光に翳り/天体の機構が明かされる/
ニュートンの天才助手-エドモンド・ハレ―/経済的繁栄の大躍進者/
合理主義の広がり-天体力学を超えて
第4章 資本
資本のコスト/資本のリスク/情報と資本/広大の資本市場/
お金(マネー)の勃興/古代ローマの資本主義/
ルネサンス時代のイタリア/為替手形/オランダ金融の台頭/
オランダ金融の衰退/イギリスと金融市場の発達/株式会社の台頭/
全面開花するイギリスの資本主義
第5章 動力、スピード、光
「口をきかない嫁」/動力/富を生み出す車輪/風力の活用/
蒸気による暖房と近代経済/蒸気が市場へ/スピード/
のろくても確実で、安全で、安い旅/蒸気、海を行く/
一つの値段、一つの賃金/鉄道時代の到来/光/警告は電気仕掛け/
電線一本で世界は一つ/ダムが決壊するように
"世界がいつ、どこで、どのように繁栄を始めたのかを知ることによって、私たちは世界がどこに向かっているのかを、より正しく予測することができるかもしれない。"
"一八二五年から一八七五年までの半世紀の間に、人々の生活に訪れた根本的な変化は、人類史上の他のどの時代よりも劇的だった。私たちは、現代が市場最も急速な技術革新の時代だと考えがちである。だが、これは大いに間違った思い込みだ。"